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日本臨床歯周病学会第34回年次大会
 7月9日(土),10日(日),アクロス福岡(福岡市中央区)にて,日本臨床歯周病学会第34回年次大会が「歯周治療 成功の鍵―再生療法Step by Step―」をメインテーマに開催された(大会長:木村英隆氏/福岡県).
 特別講演「Clinical concepts and new developments in regenerative periodontal therapy」では,Anton Sculean氏(ベルン大・スイス)が登壇.垂直性骨欠損,根分岐部病変,歯肉退縮への対応について,基礎的背景,文献的背景から,臨床報告まで3時間超のレクチャーを行った.特に軟組織増大術としてのトンネリングテクニックについては,豊富な臨床例が動画にて紹介され,会場の大きな関心を惹いた.
Anton Sculean氏
 歯科衛生士向けに12のテーブルクリニックが開かれ,それぞれ2回ずつ行われた.「歯周治療に対する包括的アプローチ~Drの目線・DHの目線」と題したクリニックに,南 昌宏氏(大阪府)と貴島佐和子氏(大阪府)が登壇.歯周治療からメインテナンスまでの症例を,歯科医師と歯科衛生士それぞれの目線から紹介し,チーム医療の重要性を論じた.塩浦有紀氏(東京都)は「成長するために必要なこと~再評価の意味を考える」と題し,再評価をする際には患者の変化を捉えるだけにとどまらず,目標を段階的に設定し,何がどれだけ変化したのかを把握し,患者へ還元することの重要性を述べた.その他,「~インサイトテクニック~患者自らが変わる口腔衛生指導法」(小牧令二氏/岐阜県),「症例に応じた歯周基本治療の進め方」(下田裕子/福岡県),「考えて取り組もう! 歯科衛生士による歯周基本治療」(村上恵子/東京都)など,多彩なテーマが企画され,いずれの会場も盛況であった.
 歯科医師・歯科衛生士シンポジウム「基本手技から見直そう!」では,鈴川雅彦氏(広島県),瀧野裕行氏(京都府),白石和仁氏(福岡県)が登壇.鈴川氏は,歯周組織再生療法の基礎的背景を解説.各種の再生療法のメリットと限界を提示し,臨床判断上の注意点を紹介.瀧野氏は,歯周組織再生療法を成功に導くための実際のチェアサイドワークのポイントについて,特に歯科衛生士との情報共有,意識共有の重要性とともに解説した.白石氏は,歯周組織再生療法の術式上の注意点を豊富な症例により紹介.再生療法は歯周治療の中の一つのオプションに過ぎず,組織付着療法・切除療法における基本的なスキルの延長線上にある技術と考えるべきと強調した.
鈴川雅彦氏
瀧野裕行氏
白石和仁氏

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