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日本の歯科の力 開催される
 5月14日(土),15日(日),シェーンバッハ・サボー(東京都千代田区)にて標記会が開催され,全国から35歳未満の歯科医師および歯科学生900名以上が参集した.
 本大会は,実行委員長の一人である船登彰芳氏(石川県開業)が大会会長の赤川安正氏(前奥羽大学学長)と月星光博氏(愛知県開業)に,若手歯科医師にわれわれが今一度伝達することはないかと相談し,2年前より企画が進められてきたものである.演者はすべて本企画趣旨に賛同した各分野を代表する臨床家および大学人で,文字通り手弁当で講演を行った.赤川氏の開会挨拶では「本会が若手歯科医師の夢を実現するヒント,つまりどのような歯科医師になりたいかを考えるきっかけにしてほしい」と述べた.
 以下,演題および演者を示す.
・「ペリオの力 part.1 非外科の立場から」伊藤 中氏(大阪府開業)
・「DHの力」石原美樹氏(フリーランス)
・「予防の力」天野敦雄氏(阪大)
・「老年歯科の力」米山武義氏(静岡県開業)
・「インプラントの力」石川知弘氏(静岡県開業)
・「補綴の力 Part.1 無歯顎治療」寺西邦彦氏(東京都開業)
・「修復の力」大谷一紀氏(東京都開業)
・「矯正の力」齋藤 功氏(新潟大)
・「補綴の力 Part.2 審美治療」小濱忠一氏(福島県開業)
・「外科の力」嶋田 淳氏(明海大)
・「基礎研究の力」小川隆広氏(UCLA)
・「エンドの力」石井 宏氏(東京都開業)
・「ペリオの力 Part.2 外科の立場から」長谷川嘉昭氏(東京都開業)
・「外傷歯の診断と治癒の力」月星光博氏
講演では,各分野における治療のポイントだけでなく,これまでの歯科医人生や歯科医療観なども語られ,多くの若手歯科医師が自身の道標とすべく熱心に耳を傾けていた.また講演の最後には,各演者から若手歯科医師へのメッセージがあり,経験や研鑽を積み重ねていくことの重要性などが伝えられた.

 初日のシンポジウム「患者さんから信用される歯科医療とは?」(座長:福西一浩氏・大阪府開業,船登彰芳氏,シンポジスト:月星光博氏,鳥山佳則氏・前厚生労働省,諸井英忠氏・ボストン開業,萩原芳幸氏・日大,米山武義氏,相馬理人氏・Doctorbook,秋元秀俊氏・秋編集事務所,久保佳代子氏・患者代表,ほか3名の若手歯科医師)では,“日本の歯科の未来は明るいのか”“信頼される歯科医療の実践とは”をテーマに議論が交わされた.総じて歯科界の未来は明るいとしながらも,それはすべての歯科医師の未来が明るいという意味ではなく,個々の努力次第であり,今後は社会のニーズに対応していくことの重要性が話されると同時に,現在の歯科治療の質的問題についても触れられていた.

 2日目のシンポジウム「日本の大学教育・卒後教育の今後」(座長:赤川安正氏,シンポジスト:櫻井 薫氏・東歯大,鳥山佳則氏,諸井英忠氏,齋藤 功氏,小川隆広氏,寺西邦彦氏,ほか3名の若手歯科医師)では,現在の卒前・卒後教育の問題についてディスカッションが行われ,卒後教育ではスタディグループの役割などについても話題が及んだ.

 昨今明るい話題が少ない歯科界ではあるが,本大会を通して何かをつかみ切り開こうとする多くの若手歯科医師が集まり,大会は熱気を帯びたまま成功裏に幕を閉じた.

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