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「都技研修会 学生に向けた講習会Ⅲ」開催される
 2015年12月19日(土),東京都歯科技工士会主催の標記講習会が,「歯科技工業界に若い息吹を」とのテーマのもと,東京医科歯科大学(東京都文京区)にて開催された.歯科技工の各領域で活躍する3名の講師が,自らの経験をもとに歯科技工における夢や理想の実現について講演し,歯科技工士養成校の学生や若い歯科技工士を中心とした参加者53名に熱いエールを送った.
 「理想の技工ライフを目指して」と題した中沢勇太氏(埼玉県児玉郡/美里歯科技工研究所 特殊補綴科 キャステティックアーツ)は,歯科技工士のライフワーク・バランスに関わる氏の考え方を示した.自分が望む技工スタイルを確立し実現するためには,10年後にどのような歯科技工士になりたいかという理想像を設定し,そのために今何をすべきかを考えることが大切であると言及.そのためのヒントとして,歯科技工士の主な活躍の場所である大手の歯科技工所,中小規模の歯科技工所,歯科材料メーカー,院内技工室の4種類の職場について,各環境での長所と短所,求められる能力,就職にあたって学生時代に行っておくべきことなどを紹介し,歯科技工所見学などに積極的に参加することで,実際の職場の雰囲気をよく知っておくことが重要であると強調した.そのうえで,「最初は断片的な知識を覚えるのに精一杯かもしれないが,ある日突然すべてが結びつき,理解できる瞬間がやってくる」「趣味にも全力で取り組むことが,仕事にもよい影響を与える」「スタディグループにも進んで参加してほしい」といった氏の経験に基づくアドバイスを送った.
 根〆まり氏(福岡市城南区/歯科糸瀬正通医院)は,「やるべきことをやり遂げる事が夢の礎」と題して講演.歯科技工士になったきっかけから,スタディグループへの参加,初めて投稿した論文が『日本歯技』の学術優秀論文として表彰されたことなど,自身のこれまでの歩みを振り返った.その経験をもとに,ものごとの結果は「考え方 × 情熱 × 能力」によって決まるとの考え方を示し,能力はすぐには変えられなくとも,ポジティブな考え方と熱い情熱をもつことによって,夢の実現に近づくことができると訴えた.そして,勤務する歯科医院の院長が尊敬しているという稲盛和夫氏(京セラ創業者)の言葉を引用し,「情熱をもち続け,地道な努力を続けることこそが,成功をもたらす王道です」と語った.
 最後に,トリートメントコーディネーター育成トレーナーの徳永恵美子氏(熊本市中央区/マクロン)が,「願望を明確化する事で人生が楽しくなる」と題して登壇した.トリートメントコーディネーターとは,患者と歯科医院との架け橋となる人材のことで,現在徳永氏は同職を育成するための事業を精力的に行っている.講演では2年間ラジオのパーソナリティを務めたというエピソードや,17年間の院内技工室勤務経験を経てトリートメントコーディネーターに転身したきっかけなどを紹介するとともに,こうした挑戦の過程において,氏の実践している手帳を用いたセルフカウンセリングが非常に有用であったと述べた.これは,手帳に「自分は何を求めているのか」「そのために今何をしているのか」「もっとよい方法はないのか」などを書き込んで自問自答を重ねる手法であり,このようにして自分の願望を明確にし,強く願うことが,人生を切り拓くための第一歩であるとして,これからの道を歩む参加者らを鼓舞し た.

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