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第40回日本口腔インプラント学会学術大会開催される

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  9月17(金)~19日(日),札幌コンベンションセンター・札幌市産業振興センター(札幌市)にて,「信頼性あるインプラント専門医」をテーマに第40回日本口腔インプラント学会学術大会が開催され,約3000名の参加者を集めた(大会長:松沢耕介・(社)日本口腔インプラント学会常務理事).

 表面改質セミナー「チタンインプラントの高機能化を目指した表面改質」(座長:宮﨑 隆教授・昭和大)では,遠藤一彦教授(北海道医療大)がTiN皮膜,HA皮膜について,會田英紀氏(北海道医療大)が紫外線照射による光処理について,柴田 陽氏(昭和大)が陽極酸化処理について,発表を行った.遠藤教授は,詳細なデータを呈示しながら,TiN皮膜によって防食効果や耐磨耗性を向上させることや,HA皮膜によって骨伝導性の付与が可能であることを解説し,インプラントが早期に機能し,長期間機能することにおける表面改質の意義について述べた.また各氏とも,自身の研究成果に基づき臨床応用に向けた可能性にも言及し,会場の注目を集めた.


 特別講演2「これで大丈夫? 歯科生体材料のEBM―歯科生体材料が抱える課題―」(座長:越智守生教授・北海道医療大)では,大野弘機教授(北海道医療大)がこれまでの基礎研究データをもとに,臨床におけるインプラントと生体材料の問題点を項目毎に整理し,解説した.とくに,異種金属腐食や接着における重合収縮に関する注意点について強調した.

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 シンポジウム①「信頼できるインプラント専門医の条件 長期経過の予測と対応を知る」(座長:前田芳信教授・大阪大,古谷野 潔教授・九州大)では,大塚 隆氏(川崎市開業)が外科処置について,古谷野 潔教授が上部構造のリスクファクターについて,武田孝之氏(東京都千代田区開業)が力の影響について,松井孝道氏(宮崎県開業)がインプラント周囲組織について,池邉一典氏(大阪大)が全身疾患について,講演した.武田氏は,力学的リスクを考慮した症例などを多数呈示し,インプラント診断においてはまず初めに欠損歯列のリスクを捉え,以後の変化を念頭においたうえでの治療計画が重要であることを述べた.


 「臨床の疑問に答える」(座長:佐藤裕二教授・昭和大)では,佐藤教授が総論について,萩原芳幸准教授(日大)が包括的治療計画について,十河基文氏(アイキャット,大阪大)がCTの重要性について,室木俊美氏(石川県開業)が骨移植について,宮﨑 隆教授がCAD/CAMの臨床応用について,井上 孝教授(東歯大)が金属アレルギーのリスク評価について,解説した.井上教授は,金属アレルギーの症例を豊富に呈示しており,臨床検査によってアレルギー原因金属の使用を避けることなど詳述したことから,アレルギー発生の機序などの熱心な質疑が行われた.

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 緊急シンポジウム「医療安全・安心の推進,PartⅡ」(座長:伊東隆利氏・熊本県開業)では,佐野公人教授(日歯大新潟)がインプラント臨床における医療安全について,石川雅彦氏(日本医療安全研究所)が医療安全推進のためのシステム化について,講演した.冒頭で伊東氏が,学会としての取り組み,医療事故のケースなど紹介し解説したことにより,講演開始直後から参加者の関心を集めていた.
 
 次回の第41回大会は,2011年9月16日(金)~18日(日)に名古屋国際会議場(名古屋市)で開催予定である(大会長:堀田康記氏・名古屋市開業).

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