1月28日(日),日本歯科大学富士見ホール(東京都千代田区)において,第5回再生歯科シンポジウムが開催された.本シンポジウムは,歯科における再生医療の普及と発展を目指す日本再生歯科フォーラムが主催するもの.

冒頭,総会で挨拶に立った本フォーラム代表の上田実教授(名古屋大学大学院,東京大学医科学研究所)から,本フォーラムが2009年をめどに発展的に解消し,日本再生医学会に合流する基本方針をもった由発表があった.医科の研究との連携を強固にすると同時に,約3,000名の日本再生医学会に約400名の本フォーラム会員が参画することにより,再生医療における歯科からの発言力強化を意図したとのこと.ただし,歯科独自の研究・臨床が医科の中で埋没しないよう,支部単位での歯科の活動は継続する.
引き続き,講演「相次ぐ医療センターの開設と今後の見通し」で,上田教授は,細胞培養センターの動きと,薬事法・医師法における歯科再生医療の位置づけを整理し,ハード・ソフト両面から再生医療の本格始動を報告した.
石川知弘氏(静岡県開業)は,「インプラント治療における再生療法の応用」と題し講演.多数歯欠損症例におけるインプラント埋入時の歯槽骨増大法に関して,チタンのフレームワークなどを駆使した三次元的な顎堤の改善を始め,高度な術式を披露した.
水上哲也氏(福岡県開業)は,「増大? 温存? インプラント審美修復のための治療戦略」で,歯槽堤の温存を図る重要な術式であるソケットプリザベーションについて解説.そのうえで審美修復のための温存術と増大術それぞれの利点・欠点を明確に提示した.
最後に,Joseph P. Fiorellini教授(ペンシルバニア大歯周病学講座)は「Biomimetics in Dentistry」の講演で,成長因子を応用した再生療法のなかで特に「パワフルな骨形成機能をもつもの」として,rhBMP-2に焦点を当てて解説.そのメカニズムと具体的な術式を紹介した.
今回のシンポジウムを通じて,口腔粘膜の細胞の特殊性が再生医療において大きなアドバンテージをもつことが再確認された.そのアドバンテージをもつ歯科発の再生医療が,医科との連携により,大きく次のステップへ踏み出そうとしている.