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日本歯科保存学会2009年度春季学術大会開催される

 6月11日(木),12日(金),札幌コンベンションセンターSORA(札幌市)にて,標記大会が1,224名の参加者を集め開催された(大会長:斎藤隆史教授/北医大・う蝕制御治療学).

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 歯の保存を目的とする保存修復学・歯内療法学・歯周病学の三分野が集う本学会は,今大会にて130回を迎え,特別講演2題・シンポジウム2題・研究発表55題・臨床セッション5題・ポスター発表162題など,分野横断的な多彩なプログラムが展開された.
 特別講演Ⅰ「硬組織再生医療を目指して」では,別所和久教授(京大院・口腔外科)により,幹細胞を用いた再生医療の現状について,特に体性幹細胞では骨髄由来という壁があること,また注目されるES細胞,iPS細胞についてもin vivoではまだまだ課題が多く残されていることなど,再生医療をめぐる情報の整理が行われた.
 シンポジウムⅡ「象牙質・歯髄複合体再生療法の現状と展望」でも,歯髄の再生から象牙質再生まで,保存領域における再生医療の道筋を展望する内容であった.

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 162題のポスター発表では,各領域の最前線の研究事情が窺い知れた.保存修復領域ではコンポジットレジン新製品についての物性の検証,歯内領域では接着性シーラーの評価,歯周領域では,歯周病原菌のバイオフィルム形成能に関する遺伝子レベルでの解析などに,複数題の発表がみられた.
 55題の研究発表では,再生医療に関する基礎研究,さらに免疫学的視点からの,歯内・歯周領域の病態生理解明の報告などが目を引いた.

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 歯内・歯周・修復の3分野の研究者が一同に会することによる熱気もさることながら,従来の「再建」医療から,「再生」医療へと,歯科医療が大きな転換点を迎えようとしているなかでの研究の熱気を感じさせる大会であった.
 次回学術大会は,本年10月に仙台国際センターにて開催される.

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