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「第46回 日本小児歯科学会大会」開催される

 6月12日(木),13日(金),大宮ソニックシティ(埼玉県さいたま市)にて標記学会が開催された(大会長:渡部 茂/明海大学歯学部形態機能成育学講座口腔小児科学分野教授).「子どもたちの未来 ~今私たちに出来る何かを~」をメインテーマに,特別講演,シンポジウム,教育講演,コ・デンタル企画など,多彩なプログラムが展開され,大会二日目までのおおよその参加人数は1,700名にのぼった.

 特別講演Ⅰ「Saliva and Oral Health」では,唾液研究の世界的第一人者,Colin Dawes氏(マニトバ大学名誉教授)が,口腔環境の恒常性を維持する唾液の科学についてを解説され,特別講演Ⅱ「『子ども学』"Child Science" の目指すもの」では,日本子ども学会会長を務める小林 登氏(東京大学名誉教授)が,大学紛争や文部省の命により各国の医学・看護教育を目の当たりにした体験から始まり,「日本子ども学会」の設立までの背景を解説された.
 本大会演題中,“子どもの口腔と全身の成長”に重点が置かれたテーマとして,教育講演Ⅰ「メッケル軟骨のふしぎ」を天野 修氏(明海大学歯学部形態機能成育学講座解剖学分野教授)が,教育講演Ⅱ「低身長症児の医療」を望月 弘氏(埼玉県立小児医療センター部長)が講演され,宿題講演として,「小児歯科が推進する食育支援」について向井美惠氏(昭和大学歯学部口腔衛生学講座教授)が登壇された.
 また,ひときわ盛況だった,大会初日のシンポジウムⅠ「小児歯科専門医に求められるもの ―小児歯科専門で開業するには」,および二日目のシンポジウムⅡ「小児歯科における禁煙支援の教育」のうち,特に後者は,満員となった会場から,演題終了後も活発な質疑応答がなされた.一般に,歯肉を見れば一目瞭然といわれる喫煙状況であるが,禁煙支援の窓口として,歯科(とりわけ,歯科保健指導を担う歯科衛生士)に大いなる期待が寄せられたなか幕が降ろされた.
 二日目の最終演題として,本大会唯一のコ・デンタル企画である「スタッフ&ドクターのための『これからの小児歯科入門』」が,“齲蝕予防だけの指導を脱却して”という副題のもと行われた.本企画のねらいとして,小児歯科臨床におけるコ・デンタルスタッフ(歯科衛生士)には,自らの専門性を向上させるだけでなく,子どもの生活環境にまで視野を広げた支援が求められることが提示された.小児歯科医からのメッセージとして,佐々木 洋氏(UTAKA DENTAL佐々木歯科/杉並区),井上美津子氏(昭和大学歯学部小児成育歯科学講座教授)が,乳幼児期の食生活習慣へのアドバイスとして管理栄養士・太田百合子氏(こどもの城小児保健クリニック)が講演された後,コ・デンタル(歯科衛生士)代表として,川端順子氏(カノミ矯正・小児歯科クリニック/姫路市)が日常臨床での取り組みを紹介された.

コデンタルセッション.JPG
 
 次回大会(第47回 同学会大会)は,2009年5月14日(木),15日(金)大阪大学コンベンションセンターにて開催される予定である(大会長:大嶋 隆/大阪大学歯学研究科小児歯科学教室教授).

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